覆面マンガ家ですが質問ある?

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59歳覆面漫画家が1年間続けたオリジナル作品について(還暦前の漫画家の生き残り戦略)


こんにちは今木商事(イマキショウジ
@imakisyoji)です。

この一年に描いたオリジナル作品についてと今年の創作活動のまとめをお話いたします。

 

122ページ描いたオリジナル作品たち

 

「まいど君がゆく」連載終了を受けて

もともとこのブログのコンセプトは「マンガ・電子書籍について語ります」だったはずなんですが、ここ何年かはあまりそういった話をしていなかったと思います。

というのも「まいど君がゆく」が月2本あったため、どうしてもオリジナル作品を描く時間が不足していたからです。

しかし以前書いたと思うのですが、「オリジナル作品を描いて電子書籍を出版することで生計を立てていく」ということが私の漫画家としての以前からの重要なテーマでした。

そこで「まいど君がゆく」終了が決まった昨年末あたりから(初心にかえって?)オリジナル作品を描き始めたわけです。

月8ページは必ず描く

時間がないから描けないとかいってる人は大体時間があっても描けない(描かない)ものですが、私はトシのせいか何とか描くことができるようになりました。

ここは一発ドカンと月に何10ページも描きたいところですが、一応花園誌の連載もありますし、他に仕事が入ることもあるので(実際いくつかはありました)月8ページは必ず描くことにしました。

これは「まいど君がゆく」を月に8ページ描いていたので、とりあえずそれと同数にしておこうというわけです。いやいやもっと描けよという声も聞こえてきそうだし事実自分でもそう思いますが、まあ無理のない目標ということでそう決めました。

ちなみに4コマは1本でも1ページというゆるいルールにしました。

結果ちょっと時期がずれたところもありますが、大体月に2回新作を発表することができました。

作品紹介

エンマ大王の口角

大量殺人を犯した凶悪犯がエンマ庁にやってきた。エンマ大王の裁きは?

蜘蛛の糸その後

一度はおシャカさまのたらした糸で救われかけたが、けっきょくまた地獄に堕ちてしまったカンダタ。ある工夫で極楽まで上がってくるが…。

地獄を望んだ男

エンマ庁にやってきた一人の紳士。なぜか彼はみずから血の池地獄に送ってほしいと大王に願うのだったが…。

ミケロマン総理

党の幹事長に増税を強要されている総理大臣。気は進まないが党の長老には逆らえない。 そんなとき、昔好きだった玩具が彼に話しかけてきた…。

河原の鬼

賽の河原で子供たちが積んだ石をくずす仕事をしている鬼。ある日石を積むことも無理そうな赤ん坊がやってくるが…。

副業殺し屋

副業を探している田口里華。 派遣業の男から殺し屋にならないかと持ちかけられ…。

名探偵キンダー壱子・伝わらない遺言

腹黒い実業家二子山金蔵が殺された! 最後の力をふりしぼって犯人の名を記す金蔵。 たまたま屋敷に招かれていた幼女名探偵キンダー壱子は真相を見抜くことができるのか?

ミケロマンを作った男

「今までにない玩具を作れ!」
上層部から指令を受けた賀間は斬新な企画を用意する。
それは彼自身の少年時代の思い出から着想したものだった…。

殺し屋里華

回転寿司店にやってきた田口里華。実は彼女は殺し屋で、この回転寿司店は殺しの仕事を紹介してくれる秘密の斡旋所なのだ。 いつものように席に座って仕事内容告知を待つ里華。だがとなりに座ったうざいオッサンにからまれてしまい…。

走れ!Gじいさん

孫の小花が車の中に閉じ込められてしまった。
すぐにでも救出しないと熱中症で命が危ない。
だがオレは転生してゴキブリになっちまった!こんなオレが果たして孫を助けることができるのか?

ゴキブリに転生した男が孫を助けようと奮闘する姿を描いたドタバタアクションドラマ。

bookwalker.jp

トラコはゴリ推し

女刑事トラコと羊毛作家ゴリオのラブラブライフを描いた4コマ連作。

www.amazon.co.jp

というわけで今年は総数122ページ描きました(正確には昨年末から描いていたのもありますが)。何百ページも描かれていた昔の漫画家さんとはくらべようもないですが…それでもまあ〆切もない中でよくやったほうだと思います。

作品発表のやり方

各作品はまずツイッター(X)で発表して、それからkindleインディーズやニコニコ静画、マンガノ、LINEマンガ、マンガ図書館Zなど無料で読めるサイトに出し、さらにいくつかはまとめてブックウォーカーやDLsiteなどで電子書籍として有料で売り出しました。

無料で読めるものを有料で売っても意味ないのではと思う方もいらっしゃると思いますが、今までの経験からして無料で読む人と有料で買う人はあまり重なっていない印象です。

今は情報があふれかえっている時代ですから、とにかくたくさん発表して少しでもたくさんの人の目にふれるようにしないといけないと考えた結果こういうやり方になりました。

価格について

昨年に出した「バーバ」が40ページという私にしては多いページ数ということで500円くらいの価格設定にしたんですが、やはり読者の方からすると500円では高く感じるのかなと考え、有料で出した本は100円程度にしました。

 

bookwalker.jp

「エンマ大王の口角」「蜘蛛の糸その後」「地獄を望んだ男」収録

 

bookwalker.jp

「ミケロマン総理」「ミケロマンを作った男」「小さな友人ミケロマン」収録

 

bookwalker.jp

売り上げは?

さてこうして1年やってみての結果ですが…はっきりいって売り上げはかんばしくありません。

以前電子書籍をご自分で出されている漫画家さんがいらっしゃって、その方も最初は売れなかったが1年くらい続けているうちにだんだん売れるようになったと書かれていました。

そもそもブログで生計を立てている人(最近はあまりいないかもしれませんが)の中では「1年くらい続けていれば徐々にアクセス数が増えていく」みたいなことがよくいわれていたようですので、自分もとにかく1年続けてみようと思ったわけなんですが、そんなに売れるようにはなりませんでした。

いろんな作品を描くのではなく同じ作品を継続的にやっていた方がよかったのかもしれませんが、結果論にしかなりません。

価格を100円程度にしたら気軽に買ってもらえるかと思いましたが、あまり関係なかったようです。

また無料とはいえkindleインディーズでは読まれた量に応じて報奨金が出るということで、こちらにも少し期待したのですが多い時で月に数百円でした。

結論

そんなわけで自分なりにがんばったつもりの1年でしたが、どうもこのやり方では生活していくのはむずかしいようです。

あくまで私の印象に過ぎませんが、私のように個人出版ではなく大きな出版社から出ている漫画の電子書籍ですらいうほどは売れていないのではないかと思います。

なぜかというと昔にくらべて紙媒体、WEB媒体あわせて途方もない量の漫画が出版されているわけですから、たとえ比較的メジャーな雑誌で連載されていたような作品だったとしても読者に認知してもらうだけでも大変だからです。

希望の光も

ブレイブ・アンド・ボールドに参加してみて

さていろいろ悲観的な内容を書いてきましたが希望がないわけではありません。

オリジナル作品の電子書籍を売るという話からははずれてしまうのですが、前の記事で書いた通り、12月2日に行われたブレイブ・アンド・ボールドというイベントでイラストのコミッションというものを実施しました。

imaking.hatenablog.com

主にお客さんのリクエストに応じて直筆のイラストを売るイベントです。

ここでは国外版権のトランスフォーマーの絵も販売できます。

私はトランスフォーマーの漫画を日本で描いていたということもあってか、ある程度の需要があるようで、けっこう絵を買ってくださる方がいらっしゃいました。

しかも単価がかなり高く設定できます。

 

レオプライム

ライオコンボイではなくレオプライム

 

白娘娘

なんと私のオリジナル作品からのリクエストもありました


イベント関係なしに自分で

これはいい、こういうイベントがもっとあればいいのにな…と思ったところで、そもそもイベントにこだわらず自分のツイッター(X)やブログ等で募集すればいいのでは?と考え、他の参加者さんに聞いてみたら、まさにそういう方もいらっしゃるとのことでした(実際あとで探したら大勢いらっしゃいました)。

よし来年からやるか!と思っていたところに何とこちらが募集する前からご依頼がありました。これには驚きました。

 

レオプライム

ア―シー

ウインドブレード

エアレイザー

まとめ

というわけで来年からはコミッションに力を入れていこうかなと考えています。

これの心配な点があるとすれば、私自身が郵送するので、個人情報のやり取りがあって面倒だということです。

幸い私を信用して住所など教えてくださった方が何人もいらっしゃって、ありがたいことですが、やはり教えたくないという方も多いのではないかと思います。

この辺はBOOTHでおたがい匿名のままやり取りができる仕組みがあるようですのでこちらを使っていこうと考えています。

booth.pm

またタイミングがいいことに、来年早々1月27日に「トランスフォーマーファンミーティング」というイベントが行われます。

アーティストアレイと称して私や他のトランスフォーマー関連の先生方にイラストを依頼できます。これなら予約していただければ、当日会場で対面でお渡しできるので個人情報の心配はありません。

詳細はまた後ほど告知されると思います。

twipla.jp

あとペースは落ちるかもしれませんが一応新作漫画も描いていこうと思っています。

それではみなさま良いお年を!