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花園誌連載「心揺さぶる!禅の名場面」9月号は「驢馬(ろば)も渡し、馬も渡す」

今月も花園誌で「心揺さぶる!禅の名場面」描かせていただいております。

今月のテーマは「驢馬も渡し、馬も渡す」です。

誰でも区別なく渡す橋とは?

 

今回のお話 

一人の僧が趙州(じょうしゅう)和尚に言いました。

 

「天下に名高い趙州の石橋。一度見てみたいと思ってやってきましたが、実際に見てみれば何のことはない。ただの丸木橋ですな」

 

これは橋の話をしているように見せかけていますが、実は趙州和尚の話をしているのです。

 

「大変えらい和尚さまがいるというから来てみたが、ただのおいぼれ坊主じゃないか」

 

つまり丸木橋にたとえて趙州和尚をバカにしているのでした。

 

しかし趙州和尚ももちろんこれをわかった上でこう答えます。

 

「お前さんは丸木橋を見て肝心の石橋を見ておらん」

 

僧が聞きます。

 

「石橋とは?」

 

洞趙州和尚が答えます。

 

「驢馬も渡し馬も渡す」

僧は理解します。

 

「なるほど自分は愚鈍な驢馬も俊敏な馬も向こうへ渡す頑丈な石橋だ。誰であろうと和尚は区別なく救ってやるぞという意味か」

 

 

趙州和尚は自分が石橋となって、たとえ相手が王様であろうと泥棒であろうと、誰でも救っていきたいと願っていたのです。

 

 

写経やってみてはいかがでしょうか。

 

 
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