今月も花園誌で「心揺さぶる!禅の名場面」描かせていただいております。
今月のテーマは「善を思わず悪を思わず」です。
本来の面目とは?
今回のお話
五祖弘忍禅師から衣鉢を継いだ六祖慧能禅師。
それを認めない明(みょう)上座が慧能禅師を追いかけてきました。
すると慧能禅師は衣鉢を石の上に置いて明上座にこういいました。
「この衣鉢は五祖の法を受け継いだあかしとして受け取ったものです。欲しいのならどうぞ持っていってください」
しかし明上座が衣鉢を持ち上げようとしても山のように重くて持ち上げられません。恐れおののいた明上座はいいました。
「私は衣鉢が欲しいのではない。法を求めてここまで来たのだ。仏法を教えてくれないか」
そこで慧能禅師はこう答えました。
「善を思わず。悪を思わず。まさにそのときあなたの本来の面目(真の姿)とはどういうものですか」
それを聞いて明上座は即座に悟りました。
かつてない喜びに包まれた明上座はさらに聞きました。
「今教えていただいたことのほかに何か大切なものがあるでしょうか?」
慧能禅師はこう返しました。
「分別を離れ真の自己に立ち返ることができれば深密なる真理はあなた自身の中にあったことに気づくでしょう」
私たちはつい何でも分別(善悪や優劣などで物事を分けて考えること)でとらえてしまいますが、その分別を離れたとき仏心が宿った「本来の面目」が現れるのです。
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