今月も花園誌で「心揺さぶる!禅の名場面」描かせていただいております。
今月のテーマは「あれは何だ?」です。
すべては「仏」のあらわれ
今回のお話
馬祖道一(ばそ・どういつ)禅師が弟子の百丈懐海(ひゃくじょう・えかい)禅師と外出したとき、カモが飛び去るのが見えました。
馬祖道一禅師が弟子の百丈懐海禅師に聞きます。
「あれは何だ?」
百丈禅師が答えます。
「カモです」
さらに馬祖禅師が聞きます。
「どこへ行った?」
百丈禅師が答えます。
「飛んでいってしまいました」
すると馬祖禅師は百丈禅師の鼻をむんずとつかんでひねりあげます。
「イタタタ…何するんです師匠?」
馬祖禅師は激高して叫びます。
「飛んでいってなどおらんじゃないか!」
それを聞いた百丈禅師は気づきます。
「そうか、『カモが飛んでいってしまった』と考えるのはカモと自分が別のものだと判断したことになる…だが本当は『私』も『カモ』も宇宙にある何もかも、すべては本来『仏』であり一つのものなのだ」
馬祖禅の基本思想は「心こそが仏である」というものです。
「心」がそのまま「仏」であると気づいたとき、すべては「仏」のあらわれであり、自分と別のものでないとわかるのです。
京にしきいかがでしょうか。
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