今月も花園誌で「心揺さぶる!禅の名場面」描かせていただいております。
今月のテーマは「生かされている自分」です。
病身の青年を守ってきたものとは?
今回のお話
勉学に励むため上京していたが、結核を患ったため故郷に帰ってきた青年。
彼は世の中すべてから見捨てられたような気持ちになっていました。
というのも当時は結核は不治の病とされていたからです。
「自分が死ぬのをみんなが待っているのだろう」
こんな風にネガティブな気持ちにもなっても無理はないのでした。
そんな初夏のある日。
青年が縁側で座っていると、涼しい風が吹いてきました。
そのとき彼はふと考えました。
「風とは何だっけ。風とは空気の流れだ。そうか空気というものがあった…」
そのとき彼は木の棒で背中をガツンと殴られたような気がしました。
「そうか、私は生まれてから今までこの空気に養われてきたじゃないか。一秒も休むことなく空気に育てられてきた。いや空気だけじゃない、目に見えない大きな力にずっと守られていた!」
青年はいつの間にか立ち上がっていました。
「私は孤独じゃなかった。育て育てと周りに見守られていたのだ!」
そして彼はこのときの気持ちを歌にしました。
「大いなるものにいだかれあることを 今朝吹く風の涼しさに知る」
老師は講演で
「われわれは求めなくてもお互いが与えられすぎるほど与えられております。そう思って毎日感謝の気持ちで生活することが大切です」
と語っておられます。
幸せのつむぎパイいかがでしょうか。
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