こんにちは今木商事(イマキショウジ@imakisyoji)です。
今月も花園誌で「心揺さぶる!禅の名場面」描かせていただいております。
今月のテーマは「キサー・ゴータミーとお釈迦さま」です。
死んだ子を生き返らせる芥子の実
今回のお話
キサー・ゴータミーは愛するわが子を失ってしまいましたが、彼女はその事実を到底受け入れることはできませんでした。
何とかこの子を生き返らせることはできないだろうか…キサー・ゴータミーは何人もの人に聞いて回りましたが、もちろんその方法を知っている人はいません。
それでもあきらめずに尋ねていくと、ある人がこう教えてくれました。
「お釈迦さまならその方法を知っているかもしれない」
そこでキサー・ゴータミーはお釈迦さまのところに行ってこういいました。
「お釈迦さまお願いです。この子を生き返らせる薬をください」
するとお釈迦さまはこう答えました。
「わかりました。では芥子(けし)の実をもらってきてください」
芥子(けし)の実は大体どこの家にもあるありふれたものです。
それでわが子が生き返るのかとキサー・ゴータミーは喜びました。
「お釈迦さま、すぐに行ってもらってきます」
出ていこうとするキサー・ゴータミーにお釈迦さまがこうつけ加えました。
「ただしその芥子の実はまだ一度も死者を出したことのない家からもらってくるのでなければいけません」
早速キサー・ゴータミーは目についた家を訪ねてこういいました。
「芥子の実を分けてください」
家の人は
「はい、いいですよ」
と快く応じてくれます。
「ところでこの家は死者を出したことはありますか?」
キサー・ゴータミーが聞くと
「去年私の父が他界しました」
仕方なくキサー・ゴータミーは別の家に行きます。
そこでも
「娘が事故で亡くなったよ…」
と聞かされます。
その後どの家に行っても
「祖父がこの前、急に」
「弟がね」
「両親ともに…」
同じような答えが返ってきます。
キサー・ゴータミーはだんだん心が落ち着いてきました。
「死者の出ていない家など一つもない…死はこの世に生を受けた者の定めなのか」
心が安らかになったキサー・ゴータミーはお釈迦さまのもとで出家し、「粗衣第一」の尼僧になりました。
大切な人の命も必ず亡くなる時が来ます。キサー・ゴータミーはお釈迦さまの教えによってこの世が「無常」であることに気づいたのです。
第二の人生いかがですか?
プロモーションコーナー
今回のお話、「ブッダくんギャグ精舎」の中にも収録されております!