こんにちは今木商事(イマキショウジ@imakisyoji)です。
今月も花園誌で「心揺さぶる!禅の名場面」描かせてもらっております。
今月のテーマは「塵を払い垢を除かん」です。
頭の悪い弟子にブッダが渡したものは1本のホウキ?
今回のお話
お釈迦さまの弟子の中で周利槃特(しゅりはんどく)という人がいました。
この人は生まれつき頭が悪く、自分の名前さえ覚えていられないほどでした。
「自分のような愚か者に悟りを開くことなど到底できそうもない」
彼はそう思い、お釈迦さまの精舎を出ていこうとしました。
そこに通りがかったお釈迦さまが声をかけます。
「周利槃特よ、お前が出ていくことはない。それならこれをやろう」
そういってお釈迦さまは周利槃特に一本のホウキを手渡しました。
「このホウキで精舎の中を掃除しておくれ。ただし『塵を払い垢を除かん』と唱えながら行うのだ」
それくらいなら自分にもできそうです。
その日から周利槃特は精舎の中を
「塵を払い垢を除かん」
「塵を払い垢を除かん」
「塵を払い垢を除かん」
と唱えながら掃除を続けました。
そうして何年か過ぎたある日。
周利槃特はホウキが長年の掃除ですっかり黒く汚れていることに気づきます。
そしてこう思うのです。
「人の心もこのホウキと同じだ。ほうっておくといつの間にか汚れてしまう。だから常に心の中の塵や垢を取り除くことが大切なんだ!」
こうして周利槃特は阿羅漢の悟りを得ることができました。
相手の能力に応じて教えを説かれたお釈迦さまの「対機説法」が実を結んだのです。
プロモーションコーナー
今回の周利槃特のお話、実はブッダくんで描こうとしたことがあって、ネームまでできていたんですよね。