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覆面マンガ家ですが質問ある?

漫画家・今木商事の公式ブログ|マンガ、電子書籍などについてコメントします

漫画家を目指す超々初心者に絶対知ってほしいただ一つのこと

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こんにちは覆面漫画家今木商事(イマキショウジ@imakisyoji)です。

漫画を描くにあたって絶対にはずせないことって何だろうと以前から考えていました。絵がうまく描けること?お話をたくみに作る力?

もちろんそれも大事ですが、今回私がいいたいのはもっともっと基本的な、漫画を描く人から見れば当たり前のこと…池上彰さん流にいうなら「そこからですか!」といったたぐいのお話です。

なので知ってる人からすればバカバカしいくらいの内容ですが、知らない人は知らないと思うのでちょっと書いてみます。

結論を先にいうと「大事なものはもれなく原稿用紙の内枠に入れろ!」ということです。

 

今さら聞けない原稿用紙の使い方

そもそもどんな紙に描くの?

みなさんは漫画家がどのような紙に漫画を描いているかご存じでしょうか?漫画家を主人公にしたドラマなどを私が観た限りではどうもよく知らないようだなあと感じます。昔私が小学生の頃(大昔です)読んだ漫画入門のたぐいでは画用紙かケント紙に枠を自分で作って描くという風に書かれていました。 

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ところが私が高校生になるくらいの頃だったか、漫画専用原稿用紙というものが発売されました。うすい青色の線で内わくが示されていてとても便利なものです。ちなみになぜうすい青かというと、うすい青だと印刷に出ないからなんですね。

以来漫画原稿用紙は一般的になり、みんなが使うようになりました。ちょっと大きな文房具屋さんでも扱っているところも多いようです。私が使っている原稿用紙の画像もあげておきます。 

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 中の1枚はこんな感じです。

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 うすい青色の印刷がわかりますでしょうか。

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実際に原稿を見てみる

私が過去描いた原稿を見てみましょう。

「野獣チュー兵衛」という作品です。 

少年ジンジン

少年ジンジン

 

 

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 わかりやすいように水色の線(外わく)と青色の線(内わく)を入れてみました。

大ざっぱにいうと水色の線が印刷されたときの紙のはしになります。

本になったときのこのページの画像も入れておきます。

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いかがでしょうか。

1コマ目(チュー兵衛がひじ打ちをくらっている絵)の上部と最後の7コマ目(悪役2人の絵)の下部が紙のはしいっぱいまで描かれていますね。

これを業界用語で「タチキリ」といいますが、普段読者のみなさんが見ているよりちょっとよけいに描かれていることがわかると思います。

初心者がよく間違える部分

私が使っているアイシー製の原稿用紙ではありませんが、この外わく部分に「印刷ここまで出ます」といったたぐいの文章が印刷されているものがありました(今もあるのかな?)。

以上見てきた通りその文章は別に間違っているわけではないんですが、初心者が「なるほど、ここまで印刷に出るんだな」と思って外わくいっぱいに大事な絵(キャラの顔やセリフなど)を描いてくる場合があります(私も最初やってました)。

しかしこの紙の最後の断ち切っている部分は媒体(週刊誌、単行本、文庫本など)によって微妙に変化するおそれがあります。たくさん切られたり、あまり切られなかったりですね。

そしてたくさん切られた場合、外のほうに描かれたキャラやセリフなどが印刷に出なくなるかもしれないわけです。

そんなわけでまずまず大丈夫ではあるけれども、外わく部分はちょっと要注意エリアと考えておいたほうがいうことです。

なので大事な部分は内枠に

そういうわけで大事な部分は内わくに入れるというのがとりあえずの鉄則になります。1コマ目のチュー兵衛の顔、7コマ目の悪役2人の顔・セリフ、すべて内わくにおさまっているのがおわかりいただけると思います。

しかしこれはあくまで原則であって絶対に守らなければいけないというものでもありません。1コマ目の「ゴッ」という擬音は半分くらい内わくからはみ出していますね。本来擬音も読めないといけないので内わくの中に入れるべきではありますが、これくらいなら大丈夫だろうと判断してあえてこの位置にしたわけです。

万が一ページ上部が大きく断ち切られることになったとしても(擬音の上部も切れることがあったとしても)読むのにさしつかえないと思います。

わかっててやる分にはかまわない

以上のことをふまえて、あえて微妙な位置に絵を入れるのはアリだと思います。

同じ「チュー兵衛」の別のページです。

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「ゴゴゴゴ」の擬音がちょっと切れていますね。これは「ページをはみ出さんばかりのすごい大きな音が鳴っている」表現としてわざとやっているのです。