こんにちは覆面漫画家今木商事(イマキショウジ@imakisyoji)です。
書店に行くとたくさんの「漫画の描き方」本がありますね。私が小学生の頃はせいぜい2、3冊くらいでしたが、今はあふれんばかりの指南書がそろっています。
これは漫画家志望者にとってとても良いことだと思うんですが、その反面情報があまりにも多いので「これもやらなきゃ」「こっちも大事だ」「あの技術も習得しなくては」と考えすぎて自分の漫画を描けなくなってしまう人もいるのではないかと心配もしてしまいます。
絵のレベルも上げて、お話の作りも万全…プロならもちろんめざすべき境地ですが実際はベテランでもなかなかむずかしい。なので新人ならなおさらできていなくて当然です。
高い理想もけっこうですが、そうなりたいのならたくさん作品を描いて自分をみがかなければいけません。ということは最初のうちは中途半端な実力で戦っていかなければいけないわけです。
そういうあなたにちょっとずるい反則的な漫画の描き方を教示してくれる方をご紹介します。悪役覆面漫画家バイオレンス今鬼さんです!
漫画の反則技を悪役覆面漫画家バイオレンス今鬼が伝授してやるぜオラー!
おう!悪役覆面漫画家バイオレンス今鬼だ。
オレがこれから漫画を描く上での反則技を教えてやっから耳の穴かっぽじってよ~く聞きな!頭の悪いお前らにもわかるようにかみくだいて話してやっからよ。オラー!
反則的キャラの描き分け方
オレたちはダ・ヴィンチじゃない
漫画を描く上でキャラクターというものを描かなくちゃいけないくらいはお前らも知ってるな。しかも何人ものキャラを描き分けなきゃいけねえ。でないと誰が誰にしゃべってるのかわかんなくなっちまうからだ。
だけど新人の頃は画力が無いからそういうこともできないんだな。
こういうとき「キャラごとに骨格から変えなければ…」みたいなこというやつがいるけど…うるせえ!オレたちはレオナルド・ダ・ヴィンチじゃねえんだ!そんな画力があるんならとっくにやってるよオラー!
オレのやり方はこうだ
じゃあオレのやり方を紹介するぞ。たとえばお前がこんなキャラしか描けないとする。
そういうときはこうだ。
①髪の色を変える
②メガネをつける
③スキンヘッドにする
④ヒゲをつける
どうだ。たちまち5人できた。髪型を長髪にするとかすればもっとできるぞ。
ここでいっとくが読者はあまりちゃんと絵を見ていない。だから微妙な髪型の差なんかわかんねえんだ。お前らがクラスの女子の髪型の微妙な変化に気づかないようにな。だからキャラ分けは思いっきりやるのがコツなんだ。
反則的背景の描き方
オレたちはガウディでもない
漫画の背景とかいうとまたパースがどうとかいろいろめんどうなこというやつが出てくる。オレらはガウディになりたいわけじゃないんだ。
もちろんパースは重要だ。だけどそんなに一朝一夕で身につくもんじゃねえ。じっくり学んでいけばいい。じゃあオレ流のやり方を教えるぞ。
背景はできるだけ描かない!
始めのうちは背景描かなくていい!背景が白いと編集も「もう少し背景を…」とかいってくるかもしれねえが、読者はそれこそ背景なんて見てねえぜ!
全体に白いほうが読みやすいくらいだ。作者も描きやすく、読者も読みやすいんだったらウィンウィンでいいんじゃねえのか?
それでも少しは描かなければいけない
そうはいっても漫画を描く以上どうしたって描かなくちゃいけない部分も出てくる。そういうときは仕方ないから描くしかない。そうやってイヤイヤでもいいから少しずつ続けていればだんだん自然とうまくなっていくぜ。そういうもんだ。
反則的ストーリーの作り方
ここからはお話作りについて話していくぞ。とはいってもオレがいいたいことはシンプルだ。
とにかく勢いで作る!それしかねえ。
お前らは絵以上にお話作りは慣れてねえだろう。そんなヤツらに伏線がどうの人物描写がどうのといったってうまくできるわけねえんだ。だったら何でもいいから自分の中にあるものをドバーッとぶつけるつもりで作ってみろ。若手なんだから流血覚悟で頭からぶつかっていけ。生きの良さが新人の最大の武器なんだからな。
反則的編集とのつきあい方
編集はタッグパートナー
最後に編集とのつきあい方についてもちょっといっとくぜ。漫画家にとって担当編集はプロレスでいうところのタッグパートナーだ。だから強固な信頼関係をむすぶことが望ましい。それにはまずこちらから相手のことを信頼していくことが大事だ。こちらが心を開けば向こうもリラックスして心を開いてくれるもんだ。
いい編集はお前の漫画の良さをさらに何倍にもしてくれるありがたい存在だから大切にしないといけないぜ。
バッドな編集にはノーサンキュー
だがな世の中にはいい編集ばかりいるわけじゃねえ。ろくに考えもしないでダメ出しばかりしてくる無能編集もたくさんいる。そんなヤツはこっちからサヨナラしちまえ!
オレも以前ある編集について何回もネームを直したことがある。打ち合わせのたびに編集部のある出版社まで出かけていって話し合いをくり返した。でやっと編集会議に出してもらえたのだが結果はボツ。それは仕方ないとしてそいつはオレにこういったのだ。
「ダメでしたね~」
まるで他人事のような物言い。もちろんオレはそいつの後頭部にケンカキック10連発をくらわしてやったさ!…心の中でな。
最後にひとこと
オレからは以上だ。大体いいたいことは伝わったと思うけど、とにかくやるしかねえ!ってことだ。それじゃあな。オラー!
あ、今木商事です。いや~すごい迫力でしたね。バイオレンス今鬼さんありがとうございました。