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花園誌連載「達磨大師一代記」8月号は第5話「異見王の迷い」

今月も「心揺さぶる!禅僧伝 達磨大師一代記」を描かせていただいております。

第5話は「異見王の迷い」です。

 

第5話「異見王の迷い」

異見王(いけんおう)と波羅堤(はらだい)の問答

 

今回のお話 

菩提達磨によって南インドに仏教が広まりました。

しかし達磨の故郷の香至国を治める異見王(いけんおう)は仏教を信じず排斥していました。

そこで達磨は異見王のもとに弟子の波羅堤(はらだい)を派遣します。

神通力によって雲に乗ってやってきた波羅堤を見て異見王は肝をつぶし問います。

 

「雲に乗ってきたお前は正しき者か邪な者か」

 

波羅堤は答えます。

 

「私に正邪はありません。邪を正しに来た者です」

 

異見王はさらに問います。

 

「では聞くが仏とは何だ?」

 

波羅堤は答えます。

 

「自身の内にある本当の心(仏性)にはっきり気づくことです」

 

以下問答が続きます。

 

「その仏性はどこにある?」

 

「仏性ははたらきとしてあらわれています」

 

「わしにもはたらいているのか?」

 

「はい、いつもはたらいています」

 

「それはどのようにはたらいているのだ?」

 

「鼻では香りを嗅ぎ分け、口では話し合う。手ではつかみとり、足では歩き回る。広げれば全世界を包み、小さくなれば塵の中にも入る」

この偈を聞いた異見王は即座に悟りました。

そして波羅堤の師についてたずね、それが自分の叔父である菩提達磨であると聞いて驚き、これまでの行いを泣いて謝罪しました。

 

 

 

 

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