こんにちは覆面漫画家今木商事(イマキショウジ@imakisyoji)です。
漫画を描くにはアイデアが必要ですが、このアイデアを思いつかないときは大変苦しいものです。前にネームのお話のところでも書きましたが、自分の存在理由って何?とかまで考えがおよんだりします。
そこで私が長い漫画家生活の中で会得したこの苦しさからの脱出方法をお教えします。漫画家に限らずアイデアを出さなければいけない職業の人たちにも役に立つと思います。
名づけて草野球監督法
きっかけは4コマ漫画時代
前の記事で書いた「第2のデビュー」時代のことです。私は毎月ゲーム題材の4コマ漫画のお仕事をしておりました。毎回8ページで1ページにつき2本のネタがありますから16本(とびらに1本あてるので実質15本ですが)のアイデアを考えなければいけないわけですが、1本や2本はともかくこれだけの数のネタを考えるのは容易なことではありません。
アイデアを考えてネームにしてそれから原稿を描くのが漫画家ですから、ネタ出しは早くやらなくてはいけない。しかし早くやらなければと思えば思うほどあせってしまいますますできなくなってしまいます。
もう原稿に入らなければ間に合わないというときに1本もネタができていないと泣きたくなります。
すべてがつまらなく見えてくる
こんな状態のときは仮にちょっとネタを思いついたとしても
「これはどうだ?『ふとんがふっとんだ』…ダメだ!くだらないダジャレだ!」と感じてしまい一歩も先に進めなくなってしまいます。いや時間がないんだから何でもいいじゃないか!とか思うのですが自分で視野をせばめてしまうんですね。
こんなときは頭を切り替える必要があるのですがどうすれば良いのでしょうか。
草野球の監督になってみる
そこであなたには突然ですがイメージの中で草野球の監督になってもらいます。
なりましたか?
なったら選手を集めなければいけません。野球は9人必要ですからね。ところがいろいろ知り合いを頼って声をかけてみるもののろくな選手が来ない。
これではせっかくチームを作っても試合には勝てない。そう思ったあなたはさらに選手を探してみますが優秀な人材は見つかりません。試合は近いのにどうしよう…。
まずは誰でもいいので合格させる
これでは永久にチームが完成しません。なのでとにかくこういうときは最初に来た人を誰でもいいので合格させます。どんなにダメなやつでもとにかくチ-ムに入れてしまうのです。
そうすると何にせよ一人確保できたことで心に余裕が生まれます。余裕ができればあんなにダメだと思っていた選手にもひとつくらいはいいところがあることに気づきます。
「こいつは足だけは速いぞ。代走で使えば活躍しそうだ」
「パワーがあるから打撃は期待できるかも」
「イチローに似ているから相手をビビらせられるかもしれない」
こうやって集めていけばチ-ムはそろっていきます。