今月も花園誌で「心揺さぶる!禅の名場面」描かせていただいております。
今月のテーマは「めでたいこと」です。
本当にめでたいこととは?
今回のお話
仙厓義梵禅師のところに藩の役人がやってきて「何かめでたい言葉を書いてください」と頼みました。
義梵禅師はよしよしわかったとすぐに筆をとり、紙にこう書きました。
「父死 子死 孫死」
これを見た役人は驚いた後、怒りがこみ上げてきてこういいました。
「めでたい言葉をお願いしたのに『死』が三つも並んでいるではないですか、縁起でもない!」
これを受けて禅師が答えます。
「そうかな。父が死に子が死んでその後孫が死ぬのじゃ。こんなめでたいことはないと思うが」
禅師は続けます。
「それとも逆に孫が子より先に死んだり子が親より先に死ぬほうがよいかね?」
役人は考えます。
(なるほどそうか。人間は必ず死ぬのだから家族が上から年齢の順に天寿を全うすることは大変めでたいことなのだ)
現実には死が年齢の順にくるとは限りません。
年齢順にくるとすればそれはとてもありがたいことなのです。
「不要不急」表紙に並んだメンバーの豪華さ!
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