こんにちは今木商事(イマキショウジ@imakisyoji)です。
私は長年児童マンガ誌であるコミックボンボンや、ゲーム題材4コママンガ誌のファミコンまんが王国などでコミカライズ作品を多く手がけてきました。
今考えると、この経験が私のマンガ能力を上げる結果になったと思うので、そのことを書きたいと思います。
コミカライズは特殊な職人仕事。大変だがやりがいもある!
コミカライズ作品とは
ここでいうコミカライズ作品とは、作者が創造したものではなく、玩具やゲーム、アニメなど他の業種のタイトルを題材にして描かれた作品を指します。
私の作品だと「ビーストウォーズ」シリーズなどが代表的なところですね。
これは元々タカラトミーさんのトランスフォーマー作品の一部であり、それを元にマンガ化したものです。
ところでこのブログをお読みのみなさんはマンガ家志望者の方が多いと思いますが、自分の考えたオリジナルではないものを描くコミカライズなんてイヤだなあとか、他人の企画に乗るコミカライズはいろいろ面倒なんじゃないのと思っていませんか?
正直そういうところも…かなりあります(笑)
しかしコミカライズには数々の大きな魅力があり、またマンガを描くにあたってのレベルアップにつながるものと私は信じています。
私の経験から良い点、悪い点をお話していきましょう。
良い点
設定等で悩まなくて良い
キャラクターやストーリー設定がある程度決まっているため、そこに悩まなくて済むところが良い点です。
特に新人のうちは自分が何を描きたいのか、どう描けば良いのかわからない人も多いと思います。自分の作品を描きたいが、どうやって描けば良いのかわからない…と悩み、このブログをたずねてきている方も多くいらっしゃるようです。
その問題を考えなくてよい分コミカライズは気楽といえるでしょう。
マンガらしさとは?と改めて考えるようになる
コミカライズ作品を描いているうちに
「どうもこの設定では描きにくいな」
とか感じることがあります。元々コミカライズの題材は他ジャンルのもので、マンガ用に作られたものではありませんから、これは当然のことです。そのため
「ではどういう設定ならマンガとして描きやすいのだろうか?」
と考える結果になるので、自然マンガらしさとについて考察するようになり、次作やオリジナル作を描くときの大きな力になります。
社会の空気に触れる
一般の雑誌に載っているオリジナルマンガだと、作品作りに際して基本的には出版社の編集者としか会わないことが多いです。
しかしコミカライズだと出版社の人間だけでなく、別業種の会社の人たちとも話す機会が多いため、一般社会の空気に触れることができます。
私は元々内向的な人間で、今でも人と話すことはもちろん苦手な方なんですが、そんな私でも会社に行って担当者と打ち合わせなどで堂々と話すことができるのは、このときの経験が生きているからだと思います。
悪い点
権利の問題
コミカライズ作品は他のところに権利がありますので、私が勝手に売ったりはできません。
電子書籍をマンガ家が自分で売ることができる時代となって、私もまさにこれをやっているのですが、私の作品の大半がコミカライズ作品なので自由に売るわけにいかないわけです。
会社との関係
先の権利の問題とも関係しますが、権利を持っている会社の人がいろいろ作品に口を出してくる場合がありました。
それらはマンガの質を少しでも向上させようというお気持ちなのだと思うのですが、こちらのテンションが低下することは否めなかったです(笑)
描きたいものがわからない人へ
先ほどもお話したとおり、「マンガを描きたいのだが何を描けばいいのかわからない」という方がたくさんこのブログを見てくださっているようなので、ひとつ提案です。
ご自分でコミカライズをやってみてはいかがでしょうか。
題材はゲームや食玩や文房具など何でもかまいません。自分の好きなものをマンガに仕立ててみるのです。
もちろん版権ものですから、作ったものを売るわけにはいきませんので、あくまで練習用としてですが。
とにかく一作描いてみれば、一作分の経験値はたまるので、次はさらにその経験を生かして二作目を描く…という風に続けてみれば良いのです。
プロモーションコーナー
ダントツ読まれています! これは私のオリジナルなので自由に売ることができます。