あけましておめでとうございます。今木商事(イマキショウジ@imakisyoji)です。
本年もよろしくお願いいたします。
今月も花園誌で「心揺さぶる!禅の名場面」描かせていただいております。
今月のテーマは「三輪空寂(さんりんくうじゃく)」です。
布施で大切な三輪とは
今回のお話
雲居希膺(うんご・きよう)が街を歩いていると一人の男が倒れ亡くなっていました。
雲居はそのご遺体の前でお経を読みご回向したのです。
そこから立ち去ってしばらく行ったとき、雲居は立ち止まって弟子にいいました。
「さっき引導を渡したあの男から布施をもらうのを忘れたわい。布施なしではあの男のためにもよくない。懐を探して何でもいいから取ってきなさい」
そこで弟子はさっきの遺体のところまで戻って男の懐を探ってみますが、何も見つかりません。
せいぜい水が入った汚い桶があるだけです。仕方なく弟子はその桶を雲居のところに持っていきます。
「すみません。あいにくこんなものしかありませんでした」
「ふむ、さようか」
そういうと雲居は桶を受け取り中の水を飲み干すと
「さあこれがお布施じゃ」
そういってその場を歩み去ったということです。
布施で大切なのは「三輪」(施す人・施される人・施す物)が「空寂(清浄)」(執着を離れている)であることだといわれています。
行き倒れの男にもお経を読み、桶の水を淡々といただく雲居の行為こそ三輪空寂そのものといえましょう。
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