こんにちは今木商事(イマキショウジ@imakisyoji)です。
今月も花園誌で「心揺さぶる!禅の名場面」描かせていただいております。
今月のテーマは「隻手音声(せきしゅおんじょう)」です。
片手で鳴る音とは?
今回のお話
「両手を合わせて打てばパンと音がするが、では片手ならどんな音が鳴るのか?」
白隠禅師に教えを受けているうちの一人に、ある大店の主人がいました。
彼は禅師にこの公案をもらってからというもの、このことで頭がいっぱいになってしまっているといいます。
「商売のことも忘れて一心不乱に考えているのですが、とんと良い答えが出てきません。何か助言をいただけませんでしょうか?」
そんな主人に向かって白隠禅師はこう助言しました。
「隻手の声を聞くよりも両手を打って商いをせよ」
それを聞いた主人はハッとします。
「そうか私は商人だ。商人の道は商いにあるはず。それを忘れていた」
禅師は続けます。
「わかったようじゃな。商人ならまずは店先で『いらっしゃい』と両手を打ってみよ。商いの道を究めることが禅の道を究めることにもつながるだろう」
白隠禅師は静かに坐禅をすることだけが大切なのではなく、日常生活を一心に務めることも同様に大切だと説かれたのです。
玉子せんべいと胡麻どうふおいしそうです。
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