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花園誌連載「心揺さぶる!禅の名場面」8月号は「なぜ投げる?」

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こんにちは今木商事(イマキショウジ@imakisyoji)です。

今月も花園誌で「心揺さぶる!禅の名場面」描かせてもらっております。

今月のテーマは「なぜ投げる?」です。

禅宗の葬儀でたいまつを投げるのはなぜ?母と息子の悲しいお話

今回のお話 

唐の時代の中国。

修業時代の黄檗希運(おうばくきうん)禅師がある旅籠屋に泊まると、そこは禅師の母が経営している宿でした。しかし母は目が悪いため宿泊客である行脚僧が愛するわが子と気づきません。

また禅師も自分が息子であることを明かしませんでした。修行僧である自分が名乗るわけにはいかなかったからです。

次の朝、後ろ髪を引かれる思いで、そのまま黙って宿を立ち去る禅師。

ところがその後で母は昨日の客が息子であったと悟ります。

必死で息子を追いかける母。

ちょうど禅師は大きな川を渡ったところでした。目の悪いのもかまわず川の中に無我夢中で入っていく母。しかし水の流れは急で底は深い。

気配を察して引き返してきた禅師でしたが、あわれ母は溺死してしまった後でした。

禅師は「一子出家すれば九族天に生ず 若し生天せずんば諸仏を妄言す」と叫び、母を思って偈を唱え、たいまつを川に投げ入れました。

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すると不思議なことにそこから母の亡骸が浮かび上がり、安らかな死に顔で天にのぼっていきました。

禅宗の葬儀のときたいまつを投げるのは、この逸話から来ているのだそうです。

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