こんにちは今木商事(イマキショウジ@imakisyoji)です。
この前江戸川乱歩の「D坂の殺人事件」を読みました。
名探偵明智小五郎が初めて登場する作品として有名です。
江戸川乱歩といえばいうまでもなく日本の推理小説(探偵小説)の基礎を作った人として有名ですね。私は特に強烈な乱歩ファンというわけではないのですが、学生時代には何作か好きでよく読みました。そんな乱歩と私とのあれこれをお話したいと思います。
何ということでしょう知らないあいだに私は乱歩に魅せられていたのでした
乱歩との出会い
私が初めて乱歩作品を読んだのは小学生低学年のころです。親に買ってもらったポプラ社の単行本「黄金の怪獣」でした。
親からは「これはコワイ本やで」といわれていて、覚悟して読んだのですが、当時本当に怖かったです。( たぶん親も内容をよくわかってなくて雰囲気でいってただけだと思いますが…)
私は今もそうですが、あまり幽霊とか怪談のたぐいは怖いと感じないのです。おそらく超自然的なものが信じられなかったせいでしょう。
しかしこのお話では自分とそっくりの人間が現れて、やがて自分と入れ替わってしまおうとする…という内容で、自分の存在が危うくなるという恐怖はまさに気の小さい私にうってつけ(?)のオソロシサだったので、とても印象に残ったのでした。でもストーリーはまるで覚えていません。
乱歩と「怪人ドクヒゲ」
中学生くらいのとき横溝正史ブームがあり、「犬神家の一族」、「八つ墓村」(余談ですがこの2つを混同してる人が多いそうですね)など金田一耕助ものをたくさん読み、その余波で乱歩も読みました。乱歩の古めかしくて、でも読みやすいリズムのある文章が好きでした。
怪人ドクヒゲと二コラ博士
ところで私がコミックボンボンで連載した唯一のオリジナル企画作品があります。
それが「怪人ドクヒゲ」です。
自分でもあとで気づいたんですが、このドクヒゲのスタイル、先ほど紹介した「黄金の怪獣」の表紙下あたりに描かれたじいさんキャラ(二コラ博士というらしい)にちょっと似ています。ドクヒゲは60年代くらいのレトロ調を意識して描いていたんですが、案外「黄金の怪獣」も無意識に取り入れていたのかもしれません。
怪人ドクヒゲと人間椅子
「怪人ドクヒゲ」と乱歩の関わりはこれだけではありません。
乱歩作品の中でも有名な作品に「人間椅子」があります。
人間椅子 江戸川乱歩ベストセレクション(1) (角川ホラー文庫)
- 作者: 江戸川乱歩
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2008/05/24
- メディア: 文庫
- 購入: 4人 クリック: 102回
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椅子の中を空洞にしてそこに入り込む男の話ですが、これをもっともしょーもない形でマンガ化した話がドクヒゲにあるのです。それがこの「復しゅうの人間椅子」です。
怪人ドクヒゲはライバルである少年探偵ダンちゃんに復讐するべく、「イ・スーツ」を着て事務所に忍び込みます。
しかしたまたま来た女性客が自分の上に座ってしまいわれを忘れてしまいます。
しかもそこにあこがれの絵池恋子アナが現れたので調子に乗ったドクヒゲは…
第二形態に変形し、さらなる快感を得ようとするのです!
自分でも忘れていたので、先日ひさしぶりに見たときは自分でもあきれてしまいました(イイ意味で)。よろしかったらみなさんもぜひ読んでみてください。
乱歩の著作権
パブリックドメイン
ところで江戸川乱歩は今年で死後50年になり、著作権が消滅してパブリックドメインとなったようです。こちらの方がブログで書かれていらっしゃるので紹介させていただきます。
hayaarukinomarg.hatenablog.com
マンガ化して良いのかな?
ここでわからないのですが、これってたとえば私が勝手に乱歩作品をマンガ化して販売しても良いということなんでしょうか?
過去青空文庫をマンガ化するという企画がありました。
乱歩も青空文庫にたくさん入っていますから、できそうなんですが…。
いろいろ調べてみたんですが今ひとつわからないのでどなたかくわしい方教えていただければ幸いです。
もしできるのならやってみたい作品があります。「心理試験」です。
主人公蕗屋清一郎はただ自分のためだけに何のうらみもない老婆を殺して大金を得ようとするとんでもない悪党なんですが…緻密に犯行を計画して淡々とそれを実行する蕗屋に何だか魅かれるものを感じるのです。