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花園誌連載「心揺さぶる!禅の名場面」8月号は「心頭を滅却すれば」

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こんにちは今木商事(イマキショウジ@imakisyoji)です。

今月度も花園誌で「心揺さぶる!禅の名場面」描かせていただいております。

今月のテーマは「心頭を滅却すれば」です。

火に囲まれた快川禅師の一句とは?

今回のお話 

天正10年甲斐国

織田信長に逆らった快川紹喜(かいせんじょうき)国師は織田軍の襲撃を受けました。

そして弟子たちとともに恵林寺の山門に押し込められ、周囲から火を放たれたのです。

迫ってくる火の勢いにうろたえる弟子たち。

対称的に一人落ち着いた表情の快川国師は静かにこういいました。

 

「今こうして炎に囲まれているこの時こそよい機会じゃ。めいめい末期の一句を述べてみよ」

 

しかし、火が迫っているこの状況では、とてもそんな余裕がある者はいません。

仕方なく快川国師自身が口を開きます。

 

安禅は必ずしも

山水を須(もち)いず

心頭を滅却すれば

火自ずから涼し

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これは後梁時代の詩人杜荀鶴(とじゅんかく) の詩の一節の引用です。

 

「心頭」は物事に執着する心。

「滅却」は無くすこと。

つまり無心になれば火さえ涼しくなるということです。

とはいっても、もちろん本当に火を熱く感じなくなるわけではありません。

火の熱さをありのままに受け入れることで、心は涼やかであるということでしょう。

おまけ

花園地蔵…かわいい。

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