こんにちは今木商事(イマキショウジ@imakisyoji)です。
今月度も花園誌で「心揺さぶる!禅の名場面」描かせていただいております。
今月のテーマは「心頭を滅却すれば」です。
火に囲まれた快川禅師の一句とは?
今回のお話
織田信長に逆らった快川紹喜(かいせんじょうき)国師は織田軍の襲撃を受けました。
そして弟子たちとともに恵林寺の山門に押し込められ、周囲から火を放たれたのです。
迫ってくる火の勢いにうろたえる弟子たち。
対称的に一人落ち着いた表情の快川国師は静かにこういいました。
「今こうして炎に囲まれているこの時こそよい機会じゃ。めいめい末期の一句を述べてみよ」
しかし、火が迫っているこの状況では、とてもそんな余裕がある者はいません。
仕方なく快川国師自身が口を開きます。
安禅は必ずしも
山水を須(もち)いず
心頭を滅却すれば
火自ずから涼し
これは後梁時代の詩人杜荀鶴(とじゅんかく) の詩の一節の引用です。
「心頭」は物事に執着する心。
「滅却」は無くすこと。
つまり無心になれば火さえ涼しくなるということです。
とはいっても、もちろん本当に火を熱く感じなくなるわけではありません。
火の熱さをありのままに受け入れることで、心は涼やかであるということでしょう。
おまけ
花園地蔵…かわいい。
プロモーションコーナー