こんにちは今木商事(イマキショウジ@imakisyoji)です。
今月も花園誌で「心揺さぶる!禅の名場面」描かせてもらっております。
今月のテーマは「地獄と極楽はどこにある」です。
地獄や極楽はどこにあるのか?
今回のお話
江戸時代。
有名な白隠禅師のもとに一人の武士がやってきてたずねました。
「地獄や極楽というものは本当にあるのですか?またあるとすればどこにあるのでしょう?」
大真面目に質問する武士に対して白隠禅師はこう答えます。
「貴公は見たところ武士のようじゃが、いい年をしてまだ地獄があるとかないとか気にしておるのか。いやはやあきれた武士もいたものじゃ」
失礼な物言いに怒りがこみ上げてくる武士でしたが、名高い高僧の言葉なのでグッとこらえます。しかしさらに禅師は続けます。
「そんなに地獄がこわいか?この臆病者が。まったくとんだ腰抜け侍よ」
さすがにここまでいわれてはガマンの限界。武士は鬼の形相で刀を抜いて禅師を切ろうとします。
そのとき禅師は武士の方を指さし
「そこが地獄だ!」
と叫びます。
ハッとした武士はへなへなと座り込み、禅師にあやまります。
「しかとわかりました地獄の所在」
武士の表情は柔和なものにもどっていました。
それを見た白隠禅師は
「そこがまた極楽よ」
と教えるのでした。
地獄や極楽は何か別世界にあるような気がしますが、そうではなく、この世の人の心が作り出すものだということですね。
白隠禅師といえば前にお伝えした通り、「すたすた坊主の白隠さん」という作品を描かせていただきました。
「すたすた坊主の白隠さん」は禅師の少年~青年期がメインテーマなので、今回の「地獄と極楽はどこにある」のお話は入れられなかったのですが、このエピソードは個人的に大好きなのでいつか描いてみたいと思っておりました。
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