こんにちは今木商事(イマキショウジ@imakisyoji)です。
国友やすゆき先生の作品は数多いですが、私の一押しはこの「明日を信じて」です。今日はこの作品のお話をしたいと思います。
地味な内容だけに国友やすゆきの巧みなロジックが味わえる一品
国友やすゆきといえばエッチな展開がつきものと思ってる方多いと思います。
その通りです(笑)
しかし本作はまったくエッチな展開が出てきません。きれいな女性キャラは出てきますが水着シーンもないし、主人公とのロマンスもありません。
プロレスラーで例えるなら、いつもハデな技で過剰なまでにお客さんへのサービスを欠かさないレスラーが、あえてしっかりしたレスリング技のみで渋い試合を行った…そんな作品がこの「明日を信じて」です。
イントロダクション
自分の勤める中堅商社が突然倒産し、山野井は無職になってしまう。
彼は会社を信じて一生懸命にやってきたのに、トップのデタラメな経営の犠牲になってしまったのだ。
幸いかつての取引先から誘いがあり、いったんはそこに再就職を決める山野井。
しかし就職をするということは、けっきょく他人に自分の人生を預けること。
自分の人生は自分の意志と力で生きるべきじゃないか?
そう考えた山野井は、独立してまったくの門外漢である居酒屋経営に乗り出す…。
こちらで冒頭試し読みできます。
私が好きなシーン
私が本作で印象に残っているのは、以下のシーンです。
主人公山野井は店を開店する際、師匠のような存在である居酒屋の大将に自分の考えたメニューを見てもらいます。
それは、山野井のビジネスマン的なスキルを活かして作られた、未経験者でもできるような無難で安価なものでした。
一見それはよくできたメニューでしたが、どこか本質から逃げているところがあった。
大将はそこを鋭く見抜いてこんなことをいいます。
「充分に計算したうえでの守りの発想だと思ってるかもしれないが、そんなのは単にうしろ向きなだけなんだよ。商売というのは戦争なんだ。攻めなきゃ勝てやしない」
そしてこう続けます。
私はこの部分を読むたび、何か自分のことをいわれているような気がして、国友先生に叱咤激励された気持ちになるのでした。
本作は現在中古本でしか読めないようですが、機会あればぜひ読んでみてください。
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