こんにちは今木商事(イマキショウジ@imakisyoji)です。
今月も花園誌で「心揺さぶる!禅の名場面」描かせてもらっております。
今月のテーマは「本来無一物」です。
五祖弘忍の後継者は?
今回のお話
中国禅宗の五祖である弘忍(ぐにん)禅師のもとには700人の修行僧が集まっていました。
ある日みなを集めて弘忍禅師がいいました。
「おのおの悟りの境地を示した偈(げ)を作ってみよ。それによって私の後継者を決める」
そこで一番優秀な弟子である神秀(じんしゅう)が進み出て自分の偈を披露しました。
身は是菩提樹
心は明鏡の台の如し
時時に勤めて払拭して
塵埃を惹からしむること莫れ
(訳)
身は悟りの樹
心は澄んだ鏡の台
いつもきれいに磨きあげ
塵や埃をつかせまい
弘忍禅師はこの偈を
「いい偈だ。この偈によって修行すれば堕落することはない」
と好評価。
師匠がほめたことで周囲の者たちは後継者は神秀で決まりだと思いました。
ところが、自分も偈を作ったので聞いてほしいという声が。
誰かと見ると、出家もしていない米つき係の慧能(えのう)という青年でした。
身分が低い慧能に偈が作れるものかという周囲の思惑もよそに彼は偈を発表しました。
是菩本樹無し
明鏡も亦台に非ず
本来無一物
何れの処にか塵埃を惹かん
(訳)
悟りにはもともと樹はない
澄んだ鏡もまた台ではない
本来何もないのだ
どこに塵や埃があろうか
弘忍禅師はこの偈を認め、慧能が後継者となったのでした。
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