こんにちは今木商事(イマキショウジ@imakisyoji)です。
マンガ家志望者の中にはこういう方がけっこういらっしゃるようです。
「今はまだ絵がうまくないので、うまくなってから作品を描きます!」
今回はこの話題についてお話しましょう。
自分のヘタさを許せないかもしれないけれど…どーにかこーにかやっていくしかない!
いいたい気持ち
「今はまだ絵がうまくないので、うまくなってから作品を描きます!」といいたい気持ちはわかります。
志望者の人は大半まだ描き慣れていないわけだから、現在活躍されているプロの作品とくらべて著しくヘタに見えます。自分としては早くそういうプロの人たちと並びたいのにこんな画力ではとても無理だ…と感じてしまうのですね。
そこで「そうだ!山にこもって修行だ!そうすればオレの画力もグ~ンとアップ間違いなしだ!うおおお!」とかヘンな妄想が浮かんできたりもするのですが、そんなことしてもうまくなりません。
上達の秘訣
私自身もそうですし、まわりの人を見てきてもそう思うのですが、上達するには現場での積み重ねしかないようです。現場というのはプロの先生のアシをするとか、あるいは自分がプロになって原稿を描くとかして、自分の絵が読者の目にふれるまでということです。
たくさん練習するのも良いのですが、それでは飽きてしまうでしょうし、練習ということでどうしてもどこか気が抜けてしまいます。しかし「この絵が印刷されて本に載るんだぞ」ということになれば、どんなにいいかげんな人でも真剣にならざるを得ません。そうした緊張の経験が上達につながっていきます。
意外なあの人も
ところでみなさんはJ・シェパードという方をご存じでしょうか?「やさしい美術解剖図」という本を書かれた方です。
私も昔この本買いました。人体の骨格や筋肉のつき方などがとても細かく説明されていて、絵を描くのに大変参考になります。
しかしこんなうまい人でも学生時代こんなことをいっていたそうです。本書の「はじめに」から引用しましょう。
私は、マーシュのおかげで、いかに自分が人物像について無知であったかということを悟った。私はあまり下手なので、最初のうちは自分の絵に人物をかきこむのが恥ずかしかった。私は、人物像をまともに描けるようになったらすぐに、キャンパスいっぱいに人物を描くつもりだと彼にいった。彼は、「下手でも、とにかく描いてごらん。上手になろうと思ったら、下手な絵を描いて失敗してみないとだめだ。上手になるまで待っていたら、結局いつまでも人物は描けずじまいになってしまうよ」 と言った。そのとき以来、私の描く絵で、人物がいないものはほとんどない。
マーシュというのはシェパードさんが教わっていた先生のお友だちで、当時非常に人物デッサンの得意な画家だったということです。
「今はヘタなのでうまくなってから描きます!」は洋の東西を問わず出てくる気持ちなんですね。私もこれを読んで少し気が楽になりました。
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